ウクライナ侵攻、台湾問題…等々。コロナ禍を経て、今、世界各国のパワーバランスが大きく変わろうとしている。かつての米ソ冷戦時代から米中デカップリングの時代へ移行し、世界の情勢は益々混沌との様相を呈しており、これからもこの混迷は益々拍車がかかっていくだろう。
私たち日本も含むアジア各国もこの大きな潮流の中にあり、それぞれの国家の思惑が見れ隠れしている。大国となった中国との関係性、隣国・韓国との付き合い方、グローバルサウスの盟主・インドの動き、ASEAN各国の微妙な政治経済バランス…見据える視点は多岐にわたる。
本書はそんな複雑怪奇なアジアとの政治・外交をそれぞれの歴史に照らし合わせながら探っていく。
「『歴史は繰り返す』とは思わないが同じ人間がやることである限り同じような原因と状況があれば同じような結果になることはある」
著者が述べるこの一文は有史以来の真理であろう。
中国、韓国、インド、ASEAN各国との関係を歴史からひも解き、日本そして日本人としての立ち位置を見直す機会として、グローバルビジネスに携わる方々のみならず、これから日本の屋台骨を支える若者、学生の方々にも一読してもらいたい1冊!