「2万2000個とも言われる遺伝子、百万以上あると言われている遺伝要因――それらの奇跡の出会いから、亮はよくぞ私を選び、私の元にたどり着いてくれました。私はこの奇跡の出会いに心から感謝するとともに、人としていかに生きるかという難問を投げかけてくれた亮の存在をとても誇りに思います」と著者で亮君の母・平山淳子さんは、本書・前書きでこう記しています。自閉症という障害をもち、川崎病を発病した亮君。この本は、その亮君の誕生から中学生となった今日までの記録をつづったものです。これまでいくつもの悲しみがあり、それらに負けず乗り越えてきました。しかし、一方で多くの喜びもありました。そして、これからも前を向き、力強く歩んでいこうとする母の決意を感じさせる内容です。「何があっても慌てず騒がず、条件なしに子供を全部受け入れること、それがきっと親としてすべての出発点です」という著者の言葉に重みを感じます 。
母の偉大さを感じるとともに、障害をもつ、もたないにかかわらず「子供を育てる」という意味の深さを考えさせてくれることでしょう。