中小企業の再生にコストカットというカードはない。なぜなら、中小企業の破綻原因の多くは飢餓であるからだ。かつて多くの実りがあった荒れ果てた農園(市場)に立ち、口にする食料(売上)は荒れ果てた土地からようやく見つけた栄養(粗利)のない雑草ばかり。かつて内臓に貯蓄されていた脂肪(資産)はなくなり、体はやせ衰え、血(運転資金)は廻らず、唯一食糧(融資)を与えてくれていた人(銀行)からは愛想をつかされながら、それでも実りのない農園を歩き回って食べ物をさがしている中小企業。
しかし、悲しいかな、もう食料は誰も与えてくれない。自力で探さなければならないのだ。だからこそ、体力がなくなる前に歩き始めるしかないではないか。(本書より)