いま内部統制がホットな話題になっています。新しい法令の制定、市場からの圧力を受け、従来とは異なる新たな視点から注目されるようになっています。2008年4月には「日本版SOX法」が適用されることになり、いよいよ企業における内部統制の構築は待ったなしの状態です。内部統制の整備・運用が必須課題になる中、企業によっては内部統制の構築・運用が「市場優位の源泉」であると認識し、戦略的、積極的に取り組んでいるのも事実です。しかし多くの企業関係者の皆さんは、まだ内部統制に関する実態を明確に理解していないのが現状ではないでしょうか。
書店には内部統制に関する本がズラリと並び、そのほとんどが、内部統制のフレームワークの説明、実施基準案の解説書、内部統制の整備に関する内容です。しかし内部統制の整備から運用評価までの説明には、実際の事例に基づいた内容が必要で、さらに有効性評価の内容も求められます。本書は、既存の内部統制に関する書籍とは異なり、“実際の事例”に基づいて、内部統制の整備・運用の実務を説明しています。「全社統制」「業務処理統制」「IT全般統制」「IT業務処理統制」のRCMや整備・運用評価と方法、その報告書の書き方まで詳細に解説し、企業現場で内部統制の業務に従事している多くの皆さまの参考になる内容になっています。
本書が「日本版SOX法」の準備に関わる担当者はもちろん、組織体で働く多くの皆さまのお役に立てることを期待しています。